いま、わたしは大型店舗のネットスーパーでアルバイトをしています。

お店の裏方で荷物を梱包する担当なんですが、なにせお店がとても広いので、
間違いがあったときに、作業場から売り場へ行ったり来たりするのは結構たいへんです。

昔、従業員がローラースケートで仕事するという大型量販店がありましたが、当事者になってみると あの意味がよく理解できます。

私の職場では、各々が売り場への往復をすると効率が悪いので「当番制」をとっています。
当番になった人が、代表で売り場に欠損品を取りに行ったり交換してきます。
そして、ローテーションでメンバー全員に当番が回ってくるというシステムです。

ここで問題になってくるのが、先輩と後輩という関係です。

パートにも上下関係がある

パートタイマーにも上下関係があるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、パートタイマー同士の人間関係はフラットではありません。
役職はなくても、先輩と後輩という暗黙の上下関係が存在します。

この上下関係が上手く機能しないと、人間関係もギクシャクするし、業務の効率も悪いし、良い事がないと思います。

ここで、話をネットスーパーの「当番制」に戻しますね。
当番といえば聞こえは良いんですが、実際のみんなの認識は「使いっ走り」という感じです。

なので、新人には言いやすいんですが、先輩には言いにくい時があります。

例えば「野菜の色や形がちょっと悪い」といった微妙なやつです。
欠損とか、わかりやすい件は頼みやすいんですが、微妙な依頼で ちょっと嫌な顔をされたりすると、新人はプレッシャーを感じてしまいます。

どうやら、気が弱い人などは自分で取りに行っているようです。

逆に新人には言いやすいので、新人だと細かい事でもガンガン行かされます。
おまけに要領も悪く、必要以上に職場と売り場の往復をするのでヘトヘトになってしまいます。
最初は頑張っていても、だんだんモチベーションが下がって行くようにも見えます。

私には、なんだか効率も良くないし、離職率を上げている一つの要因のように思えてなりません。

そこで、昔何かで読んだある記事の事を思い出しました。

某体育会系の大学のスポーツ部での話ですが、ある斬新な試みに挑戦したところ、目に見えて成果が上がり、大会で勝つ事もできたという話です。

ある大学のスポーツ部の試みから学ぶ

昔、ある大学のスポーツ部が新たな試みに成功し、チームが強くなったという話を聞いたことがあります。
具体的な名称は何ひとつ思い出せないのですが、その試みの内容だけは覚えています。

それは、4年生である先輩が雑用を一切やり、一年生はひたすら練習に励むというチャレンジです。
あまりにも体育会系のイメージと違っていて驚いたので覚えているんですが、普通は真逆ですよね。

感情的には「そんなバカな・・・」という感じがするかもしれませんが、その試みが成功した理由は納得のいくものでした。

新入生というのは、慣れない環境に適応するのに神経やエネルギーを使ってオーバーフローしています。
その上雑用をやらせてしまうと、肝心の練習に割ける体力が持ちません。

逆に4年生のベテランは、雑用も相当 効率良くこなせるようになっています。
練習する環境の整え方など、新入生がやるよりもずっと良い仕事をします。

そのぶん一年生たちは練習に専念する事ができるようになり、実力がついていく・・・という具合に、全員の活動が有効に回るようになります。

これが、このチームが強くなった理由です。
なるほどなぁと思いました。

この話を、今の職場に応用できれば良いのですが。

思い切った改革は慎重に・・・

大学のスポーツ部の試みから学び、ネットスーパーでの当番のローテーションを、ベテランに一任してしまうというのはどうだろう?
と思いついたものの、すぐに頭の中でそれを打ち消す声が聞こえてきました。

大学のスポーツ部の雑用を4年生がやるというのは、体育会系としてはかなり思い切った改革だったと思います。

同じように、ネットスーパーの職場でもベテラン勢から大いなるブーイングが聞こえてきそうです。
ここは上手くやらなくては、ベテラン勢の猛反対で計画倒れになってしまうでしょう。

例えば、ベテランは当番をやる代わりに別の仕事からはいっさい解放する、といった思い切りが必要です。
そして、当番を「特権」のように扱うんです。
そうすれば、ベテランの顔も立ちますよね。

実際、当番のしごともベテランがやった方が断然効率が良いと思います。

まずベテランは、各売り場の人たちと顔見知りになっているというだけでも有利です。
それだけではありません。
情報の蓄積があるので、商品のピックアップから各部門への個別の依頼、確認も上手にこなします。

売り場の人も、わかっている人が来た方が話がスムーズに進んで助かるので、これはウィンウィンのような気がします。

一方新人は、早い段階で梱包に慣れる事ができて、梱包に慣れたら今度は職場で起こっている事をだんだん理解できるようになってきます。

「疲れるばっかりで、とても続きそうにない」と辞めていく人も減るような気がしますし、新人が早く成長してくれればベテランの人も助かりますよね。

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