最近では論理的思考、思考力をつける事、もしくは構成力や企画力が注目されて、記憶力や計算力の重要性がどんどん減ってきているといわれています。
そして巷ではロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングなどの様々な手法が語られていますよね。
でも今回は、もっとシンプルに考える力を鍛える方法を説明したいと思います。
クリエイターの仕事術にも通じる
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者である荒木飛呂彦さんは、キャラクターを作るときに「身上調査書」なるものを用意するそうです。
こうした綿密な人物設定をする事でキャラクターにリアリティが増し、ストーリー展開にも役立つようです。
確かに行動に一貫性のないキャラって、魅力が無かったり興ざめしたりしますよね。
逆にキャラクターがしっかりと固まると、ストーリー展開がしやすくなるという話は、別の漫画家の話でも聞いた事があります。
キャラクターを綿密に設定するという事は、ある意味キャラクターの言動に「制限」を設けている訳です。
その方がストーリー展開が湧きやすいという話は、人間の思考というのは制限や枠がある方が機能しやすいという事を物語っているのではないでしょうか。
「まずは何かしら決める」・・・それで初めて、ものを考える事ができるんですね。
真っ白なキャンパスには何も描けない
考える力を鍛えるためには何かしらフォーマットが必要なのです。
フォーマットとは、仕切りの付いた整理箱のようなものです。
データを流し込む「型」を作る事で、発想を促すのです。
何かを考え出さなければならない時、真っ白なキャンパスに、全くゼロの状態から始めるというのは難しいものですよね。
例えば、よく国語などのテストでは穴埋め問題などが出されますが、それは筆記試験にすべきだという論調があります。
あくまで筆記と比べての話ですが、これは穴埋め問題の方が簡単だという事を物語っています。
もう一つ例を挙げたいと思います。
例えば、履歴書について「あんなもので人物がわかるものか」と文句を言う人がいますよね。
ところが「自分の事を自由に語ってください」と言われると、案外困る人は多いと思うのです。
「自由に考えなさい」と言われる程、思考が止まってしまうのが普通なのではないでしょうか。
自分の属性や志望動機などの括りがある事で、やっと書くことが浮かぶわけです。
履歴書というのは、どちらかというと立派な事を書こうと思うから難しいのかもしれませんよね。
他にも、絵があってセリフを書きなさいとか、よく大喜利でそういうのがありますよね。
ああなるとやっぱり考えやすいもので、そのフォーマット自体が有効かどうかに関わらず、自分なりにフォーマットを作ってみるという事がポイントなのです。
まずは「箱」を作る
考える力を鍛えるときに気を付けるポイントとして、まずは新規性のある着想か?とかオリジナルの発想か?といった事が気になるかと思います。
新規性を追求するなら、ブレーンストーミングとか組み合わせ発想法などがあると思いますが、こういう手法を用いるのも結構しんどいものですよね。
かといってロジカル・シンキングで考えるというのも、論理的思考が板についていなければ大変だと思います。
そこで提案したいのが、オリジナルのフォーマットを作るという方法です。
一般的にはマインドマップなどのツールなども出回っていますが、やっぱり自分の目的や思考に合ったオリジナルなものが使いやすいと思います。
いったん抽象化するのが大事
フォーマットを作る時のポイントは、いったん抽象化する事です。
様々なデータを流し込む為には、ざっくりしたカテゴリー分けをして、それぞれにラベルを貼り付けて行くイメージです。
その時にラベルがあまりにも具体的だと、データが限定されすぎてしまいます。
かといって抽象的すぎても思考が続きづらくなるので、思考しやすい程度のラベルに設定すると使いやすいと思います。
これが、ブレストや論理的思考を使わずに、かといって堂々巡りしない為の「考える力を鍛える方法」です。