パートタイムの仕事というのは、けっこう早い段階でベテラン扱いにされてしまうものです。

短時間パートとフルタイムパートではまた違いますが、パートの世界では3年も続けていれば古株とみなされてしまいますよね。

それに、パートの仕事というのは思いの外大変で、給料は上がらないのに任される仕事だけが増えていきます。

おまけに苦労して獲得した職では無いという事もあり、どうしても根気が続きにくいものだと思います。

だけど、増える業務に押し潰されたり、職場で居づらい存在になったりしてパートジプシーを続けると、だんだん働くこと自体が億劫になってしまうかもしれません。

今回は、大変な状況を打開して、辞めたいという気分から抜け出す方法をシェアしたいと思います。

パートが続かない理由1:短時間しかできない

パートジプシーから抜け出すには、やはり辛抱で続けるのではなく、気持よく仕事をしたいと思いますよね。
私も以前は、常にパートの仕事を辞めたいと思っていました。

その頃の心境として、スキルは上がってるのに、それ以上にどんどん仕事が大変になって、ついていけないという気分でした。

仕事が増えるにつれて やり方が変わるという、変化への対応も要求されます。

私が勤めている職場は、以前は一人で最初から最後まで、ひととおりの業務を個別にやっていたのですが、業務量が拡大するにつれて分業体制に変わってきました。

業務が分担されると、フルタイムパート以外の人には、だんだん全体像が見えにくくなっていきました。

私は短時間パートで勤務しているのですが、短時間の人というのは離職率が高いので、気が付けば私は数少ない短時間パートの古株というポジションになっていました。

同じ期間を勤めていても、短時間で出勤日数も少ないと、どうしてもフルタイムパートの人ほどスキルは上がっていきません。
業務内容の全体像が見えにくいし、ローカルルールの知識にも差が出てきてしまいます。

フルタイムパートほどの戦力は無いけど、勤務期間だけは長いという、少数派で中途半端な存在という感じです。

だからと言って勤務時間を増やす事もできなかったので、ちょっと職場に居づらい気分になった事があります。

パートが続かない理由2:業務が安定しない

いくら中途半端な存在とはいえ、会社も人員を有効に活用しなければなりませんよね。

フルタイムパートほどの戦力は無いけど、それなりにスキルの蓄積がある私は、誰かが休んだ時にその穴を埋める役割になっていきました。

「今日はどこの業務をやらされるんだろう?」という感じで、新人のように指示されながら動いています。

少ない時間しか出られない人間というのは、フルタイムパートより肩身が狭い存在です。
それなりに存在価値を見出してくれるのは助かるのですが、困った事がありました。

それは、あちこちから頼まれ事をするので、スケジュール的に重なってしまう事でした。

パートが続かない理由3:相談できる人がいない

指示を出す方も、一人ひとりの時間管理までは手が回りません。

別々の人から仕事を依頼されたときに優先順位がカブってしまうと、心理的にテンパってしまい、結果的にどちらかの業務が遅れてしまったりします。

では、いくらピンチヒッター的な役割だからといって、あまり簡単に色々な人から仕事を引き受けない方が良いのでしょうか?
自分では良い方法が思いつかず、テンパる事ばかりでヘトヘトになり、これほど疲れるなら辞めてしまいたい気分でした。

じつは、こういったパートの悩みというは、社員に訴えてみたとしても、真面目に相手にしてもらえない事がほとんどです。

というのは、彼らにとっては話が些末すぎるのです。
社員は、もっと複雑で責任が重い案件を5,6件抱えているのが当たり前だからです。
社員の人からすると、どうしてパートの人が2,3個の業務がちょっと被ったくらいでパニクるのかが理解できません。

それならと、一緒に働くパートの仲間に相談しても、彼らも自分の事で手一杯ですから、いいアドバイスが得られる事はあまりないでしょう。

辞めるのは本当に得策か?

こうして誰にも相談できずにいるうちに、だんだん辞めたくなって、パート・ジプシーになってしまう人は多いと思います。

だけど、せっかく3年も続いたパートを辞めて、他へ移ってまた一から新しい仕事を見つけるというのも、もったいない話です。
3年かけて積み上げた信用はゼロになってしまい、新たな職場では役に立たない新人として扱われるのがオチですよね。

それでは、だんだん大変になってきた今の職場で、どうすればもっと状況を改善できるのでしょうか?

幸い私は、社員として働く友達に相談に乗ってもらい、仕事を継続する事ができました。
その時教えてもらった話はこうです・・・

お休みの人のピンチヒッターが多くなって来たのであれば、それは自分がそこに利用価値を見出されているという事なのです。
ピンチヒッターがいる事で、フルタイムパートの人が休んだ時の穴を埋められるなら、それはそれで存在価値があるわけです。
だから、堂々と仕事を続ければ良いのです。

ただ、飛び入りの業務がカブって遅れが出てしまってはマズいですよね。

スケジュールがカブりそうなら、その仕事を引き受ける前に、依頼しようとしている人にその事を話すべきです。

依頼しようとしている人も、それなら別の策を講じるかもしれません。
安請け合いして「後で間に合いませんでした」というのが、一番困るのです。

増え続ける負荷を楽にするには?

少なくとも、自分のスケジュールくらいは自分で組まなければなりません。
ただ、ずっと時間に追われ続けて疲労が蓄積し、判断力が鈍って失敗してしまう事はあるかもしれません。

では、そうならない為に、社員として働く人はどのようにスケジュール管理をしているのか?が気になったので、参考に聞いてみました。

社員の日常は、急ぎで、かつややこしい案件を5,6件抱えているのが普通です。
そこへ更にクレームなどの「割り込み業務」が入ったりしますが、クレームに「待った」は通用しません。

だから社員の人というのは、常にそういう事態を「想定」しています。
急ぎの案件を複数抱えながらも、割り込みが入っても対応できるように「備えて」いるのです。

例えば、9時から5時の間は「業務改善」などの中断可能な作業にあて、定時以降に研究開発など熟考を要する仕事をする、といった風にです。

そしてスポーツ選手も同じなんだという事を教えてくれました。

スポーツ選手は、日夜どういう練習に励んでいるのかというと、「どういう事態が起こりうるか?」という、思考実験を繰り返し、その事態に対応する「訓練」をしているのです。

いくつものパターンを組み合わせて、あらゆる事態をシミュレーションし、その状況に瞬時に対応できるようにするのです。
だから、部外者からはどんなに突発的に見える状況も、ある程度は予測が可能で、想定の範囲に収まっているというわけです。

プロのスポーツ選手といえども、想定の範囲外の事態に遭遇してしまったら、さすがに対処はできないそうです。

確かに、なるほど、と理屈では理解できるのですが、実践となると何だか真似できそうに思えない話でした。
そこで、それを自分のケースにどう応用していけば良いのか?という所まで、とことん相談してみる事にしました。

具体的な対処法

もちろんパートの仕事ですから、プロのスポーツ選手のように高度な分析をする必要はありません。

ただ、1日の業務が終わった後、今日は「失敗したな」とか「危なかったな」といった反省、大変だったなと思った事を振り返ってみるのです。
そして、どこが間違いだったのか?本当にその事態は予想できなかったか?など、自問自答してみます。

その作業が、パートの仕事でのシミュレーションになります。

また変化を予測するには、普段から誰が、どの時間に、どのポジションに入っているか?という事を把握しておく事も必要です。
出勤してすぐに誰が休んでいるか?をチェックすば、どこの業務が自分に回ってくるかが、ある程度 事前にわかるのではないでしょうか?

つまり、割り振られて気がつくようでは遅いのです。

少しでも想定外の事が起これば、それだけ頭はパニックになります。
想定外の事がいくつも重なると、もうその場で判断などできないでしょう。

つまり、ちゃんと準備しない事で、業務を大変なものにしてしまっているのです。

どうやら変化を把握するのはピンチヒッターの役割の一つで、それを怠ると、毎度ピンチな目に合う事になるのです。
これが、自分に起こっていた事態です。

まとめ

仕事が終わってからの反省というのは、正直 面倒でした。
でも実践してみると、業務に追われてパニックになる事態が減り、結果として楽になりました。

今まで、パートというのは勤務時間中しか仕事の事を考えなくて済むものだと思っていました。

でも、こういう働き方をしていると、だんだん煙たがられる存在になり、一つの職場に長く居づらくなるという事がわかりました。

パートジプシーをしていれば、いつか自分に合った職場が見つかるかも知れないというのは幻想で、居心地の良い職場というのは、自分自身のポジションを作り上げるという事なのかもしれません。

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