現代のようにコンピュータが整備されてくると「記憶」の重要性はますます低下して行きますよね。

となると本当の学力とは「考える力」と「説明する力」であり、知識はその為のツールくらいの意味しか無いのかもしれないのです。

こういう状況で、日本だけが このまま記憶一辺倒の教育で良い筈がありません。

教育熱心なオランダの小学校

今回ご紹介するのは、コメンテーターで有名な尾木ママが取材していた教育に熱心な国オランダの小学校です。

まず、オランダでは子供が行ける学校に「選択の自由」があります。

ふつう学校というのは、居住エリアで行ける学校が決まってしまいますよね。
私立なら何処でも入学できますが、今度はお金が掛かってしまいます。

いくら学力が高い子供であっても、住所や経済面で行ける学校は制限されてしまうのが普通だと思います。

ところがオランダの小学校は、私立も公立も無料で、さらに交通費も国から支給してもらえます。
これだけでも、国家を挙げて教育に力を入れているという事がわかりますよね。

「授業」という言葉からして・・・

更に教育方法がかなりユニークで、あまりの日本との違いに衝撃を受けました。

まず、小学校は4才からの入学です。ずいぶん早いですよね!

おまけに学年の考え方が全く違っていて、クラスは低学年、中学年、高学年の3クラスに分かれているだけです。

つまり、年齢の違った生徒が同じクラスに所属して学ぶのです。

日本でいうと、1年生の生徒と3年生の生徒が、同じクラスで学んでいたりするわけです。

次に違うのが、授業の「内容」です。

日本のように教師が情報を一方的に流し、生徒が受け取るという形式ではありません。

論理的に「考える」事が出来る為のカリキュラムを、あくまで「生徒が主体」という形で行うのです。

そもそも「授業」という言葉からして、受け身の姿勢を表している事に改めて気付かされます・・・。

そして ここがポイントなのですが、ただ課題をこなしたら それで終わりかと思いきや、そうではありません。

更にその答に到達した理由を、生徒自身に「説明」させるのです。

日本人の感覚からすると、ずいぶん小学生の生徒相手に高度な要求をするものだなぁ、と思ってしまいますが、どうやらそれは子供の能力を侮っていたようです。

ちゃんと教育しさえすれば、子供は論理的に考え、ちゃんと説明する事が出来るようになるのです。
この取材では、その状況が明らかにされていました。

それも一部の優秀な子がいるという感じではなく、皆が出来ている様子でした。

子供にも説明責任?

そして実は子供というのは、こうして自分の要求や感情を「きちんと説明する事」が出来るようになると、感情を爆発させたり喧嘩をしたりする事は無くなるのだそうです。

意見がぶつかったり、相手から迷惑を被ったときに「自分はコレコレこういう理由でこう思うんだ」とか「どういう訳で」とか「どうして欲しのか」という事を論理的に説明できる事で、感情に訴える事なく「話し合い」で問題を解決してしまうのです。

大人顔負けですよね・・・。

どうも今までの感覚では、人格と成績はイコールではないという認識がありましたが、なんだかこの話を聞いていたら考えが変わってきました。

番組自体は短いコンテンツでしたが、学力というのは知識を詰め込む事ではなく、考える力と説明する力なのだ、という思いが残りました。

自己管理の目覚め!

他にも、ビジュアル的に印象的だったのが教室の様子です。

まず、少人数制です。

そして席の並べ方は「サークル状」になっています。

ここが教育内容を如実に表していて、先生と生徒が対峙するという図になっていないのです。

生徒たちが丸く向き合って座り、テーブルはありません。
そして先生は、そのサークルの中に加わるだけです。
印象として「同列」な存在という感じです。

それもそのはずで、学年が違う生徒が一緒になって学ぶので、上級の生徒は下級の生徒に教えたりします。
もしかして学級は関係なく、わかる子がわからない子に教えているだけかもしれません。

先生は、あくまでもサポート役というイメージなんです。
というか、生徒ひとりひとりが自主的に自己管理 出来てしまうので、先生が規則で押さえつける必要すら無いのです。

そこの学校にはチャイムがありません。
なぜかと言うと、休み時間が終わったら、自然に生徒が教室に集まってくるからです!

ここまで違うと、やはり子供の成長というのは、先天的なものより教育の方が占める割合が大きいのだと思わざるを得ません。

正直、こういう教育を受けられる子供がうらやましいです。

日本は経済やテクノロジー方面では欧米に追いつけの時代では無くなりましたが、教育問題に関して言えば、まだ外国から成熟したノウハウを学ぶ事が出来そうです。

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