般若心経のサビでおなじみの
『羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶』
「ギャーテーギャーテー、ハーラーギャーテー、ハラソーギャーテー、ボージーソワカー」
の解釈について語ります。

この記事は

の続編です。未読の方は是非こちらもお読み下さい。

ソワカの意味

サンスクリット語では、
「ガーテーガーテー、パーラーガーテー、パラサンガーテー、ボーディースワハー」
仏教学者の訳は、
「往ける者よ、往ける者よ、彼岸に往ける者よ、彼岸に全く往ける者よ、幸あれ」

英訳している人がいて、面白かったのが、
「ゴー、ゴー、レッツゴー、パラダイス、完全なるパラダイスに向かえ、幸あれ」
みたいな感じでした。
ソワカがマントラでは、「幸あれ」ということらしい。

ここでも私は異論を唱えたい。
ソワカの意味は、エクスクラメーション・マークであるということです。
つまり『!』という感嘆符です。

マントラとは?

とにかく、みなさん口を揃えておっしゃるのが、
マントラとは、意味がハッキリしないセンテンスなのであって、
それだけで、ありがたく、曖昧なモノで、それで良いそうなのです。
あくまでも言霊よろしく、音韻が大切なのだそうだ。

『本当に?・・・それで良いのか?・・・・』

そして、これから、私はとんでもない事を言って、大炎上になりそうな事をのたまうので、心して聞いて欲しい。

このマントラなるモノは『空欄』なのです。

中間テストの問題用紙などにあるアレです。

「この文章の空欄を埋めよ」というヤツです。

だから、このマントラには、空欄が3つある、ということです。

空を見つけるメソッド

「ギャーテーギャーテー、ハーラーギャーテー、ハラソーギャーテー、ボージーソワカー」

を分解してみると、繰り返しの部分、繰り返さない部分があることがわかります。

それらをブロックにしてみると、

『ギャーテー』と『ハラ』と『ソウ』の3つに分かれるのです。

サンスクリット語バージョンだと、
『ガーテー』と『パーラー』と『サン』の3つになります。

言語が違っても、空欄の数は同じですね。

『何のための空欄か?』

あなたが今抱えている”問題・課題を解決する” ために『空を見つけるため』の空欄です。

このマントラは、あながが利用できる自由度である『空』を見つけるメソッドなのです。

空とは何か

『空』にはついて理解するには、
まず『無明(むみょう)』についての理解が必要です。

『無明と空の関係』については、以前詳しく書きました。
と言っても、あくまでも持論なので、仏教関係者の先生方には怒られること必至です。

でも、興味がある方は、是非ご覧下さい。

3つの空欄の特徴

さて、納得してもらえたかどうか、わからないが、
これは公式のようなものなのです。

あなたが今、抱えている問題があるとして、
その解決のために必要なパーツが3つあるということです。

そして、この3つのパーツには、それぞれ特徴があります。

以下、それぞれ説明して行きます。

ギャーテー

まずギャーテーから。
ギャーテーは、漢字では『羯諦』と書きます。

どうして、この文字が使われたか?

私が調べた限りでは、これはサンスクリット語の音写であって意味は無いということらしい・・・

『・・・・・本当か?』

この『羯』という文字、ケツと読んで、中国の北方民族で漢に絶滅させられた部族とのこと。

意味は、”去勢された羊” らしい・・・

どんだけ馬鹿にされたんだと可愛そうになりますが、
これは、その意味をとらえると『最弱』ということになります。

次に『諦』。

これは”あきらめる”と読みますが、もう一つの意味は、”明らかにする” という意味です。

つまり、『ギャーテー』の空欄に入る内容は、
「あなたの ”最弱を明らかにしたもの” を入れなさい」
ということです。

自分がハンデーだと思っていることを自分の個性だと思って諦めるとも取れます。

ハーラー

さて次は『ハーラー』・・・
漢字で書くと『波羅』です。

これは智慧という意味ですが、では、どんな智慧かというと、
目的地を明らかにするということです。

『波羅』の音写元は、パーラーであり、パラダイスの語源とも言われています。
仏教用語で『彼岸』と訳されていますが、要するに目的地です。

的を絞る、もしくは何かを捨てるということでもあります。

あなたが叶えたい願いの中には、恐らく不純物がたくさんつまっています。

それはマスメディアや生産者が、あなたやあなたの家族に、何らかの商品・サービスを売るために考え出した架空の夢なので、多分に虚飾が入り込んでいます。

だから、よくよく分析して、あなたが本当に叶えたい要素を残して、あとはバッサリと捨てて下さい。

そのゴールをしっかりと絞り込んで空欄を埋めて下さい。

ソウ

最後に『ソウ』。

漢字で書くと『僧』です。

これは、みんなとか仲間という意味もあるそうですが、
私の解釈では『完全なる自由度』です。

自分の弱点を受け入れて、的を絞り、完全なる自由を発揮できる、
つまり得意な分野、自由に支配できる分野で勝負するということです。

そして『僧』の空欄の特徴は、既にあなたが持っているリソースだということです。
恐らく、弱点を気にするあまり、まだ見えていない存在です。

これが『空』です。

空については別記事で説明しています。

ボージー

最後に『ボージー』

漢字で書くと、『菩提』が残りました。

『菩提』とは、まだ悟りに達していない修行者のことです。

つまり未熟な者ということで、私のことです^^

お釈迦さまのような仏陀にならなくても、凡人のままで、願いが成就できるのです。

隻腕の剣士のエピソード

ここで例として、一つのエピソードをご紹介します。

中学教員をされている高宮敏光さんエピソードです。

動画の方がわかりやすいのですが、ここで簡単にあらすじを説明します。

彼は幼少時、不慮の事故によって片腕を失くしてしまいました。

その後、両親が自分達の過失に後悔していたり、
学校関係者たちの哀れみの視線が嫌で、
剣道を始めます。

当然ながら片腕なので、かなり苦戦されます。

このハンデーが、マントラの第1の空欄の『ギャーテー』にあたります。

次に『ハーラー』です。これは目的を絞る空欄です。

剣道の場合、ふつうは『試合に勝つ』ということになるでしょう。

もちろん、それで間違いないのですが、もっと具体的にしなければなりません。

彼の場合、剣道の師匠から『防御を捨てた構え』を指導されました。

普通は、攻撃と防御でワンセットで臨むものですが、
この師匠は、あえて守りを捨てさせたのです。

ここで目的が、戦法の確立というように、絞り込まれたのです。

そして、彼は、この戦法で大学までは、迷うことがなかったそうです。

ところが、さすがに大学レベルともなると、通用しなくなります。

そこで、編み出したのが『片腕だから出来る戦法』です。

竹刀の柄(手に持つところ)を自由に持ち替えて、
対戦相手を幻惑するというものです。

この戦法は、両腕で柄(つか)を握る選手には出来ない戦法ですね。

これが『ソウ』の空欄です。

整理すると、
羯諦(ギャーテー):片腕で剣道
波羅(ハラ):防御を捨てる
僧(ソウ):竹刀の柄の空いていたスペースを利用する

ということです。

『空』を発見する前には、まず『防御を捨てる』という尖った戦法が必要でした。

そして、彼にとって、この『空』は、元々、持っていたものであり、
気づけば、すぐに利用できる器用さも持っていたのです。

これが『空』は “自由度である” と言っている意味です。

ふつう、私たちが “願いを叶えたい” というとき、
ついつい、『何かを足して行こう』とする発想をしてしまいます。

この例の場合なら、義手を作ってもらって、
その義手のパワーを上げようとするようなものです。

とにかく、不足を感じたら、一杯にしないと気がすまない。

このエピソードは、そういう事を考えさせてくれます。

まとめ

あなたの弱点を明らかにして、受け入れて、ゴールからムダなモノをそぎ取って明確にして下さい。

そしてあなたの空(自由度を発揮できるスペース)を発見すれば、未熟な者でも願いが成就する!

つまり、このマントラ、呪文が言いたいことは
『あなたは、あなたのままで願いが成就できる』
と言っているのです。

我らに幸あれ!

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