上司から指示を受けたとき、頭に「大至急で!」という言葉が使われた時は、要注意です。
大至急という事は、その仕事はその時点で既に遅れている状態です。
だから、指示を出す側はほぼ「テンパって」います。
そんな人の出す指示は、何か「抜け」があったり、わかりにくい指示である事が非常に多いのです。
ところが、指示を受けた側も「大至急」という言葉にヤラレて慌ててしまいます。
こうなってしまうと、もう最悪です。
急ぐからといって、曖昧な指示をよく確かめないで動き出してしまうと、大概ミスしたり余計時間がかかってしまう可能性が「普段以上に」倍増してしまうのです。
上下関係はただの役割分担
上司の指示を、よく確かめずに動き出してしまうもう一つの原因として、上司に頼りすぎているという事があると思います。
極端な話、上司というのは別に部下よりも優れているとか、頼りになる存在だと思わない方が良いのです。
そもそも「大至急で」とかテンパっている時点で、頼り甲斐がある人物ではありませんよね。
それより上司とか部下とかいう立場は、ただの役割分担だと考えた方が現実的かもしれません。
特に上司は、たくさんの案件を抱えている性質上、集中力が部下よりも分散されています。
ましてや仕事が遅れているという状態では、既にもう普段の精神状態ではないと言った方が良いかもしれません。
こういう状態になってしまったら、指示を受ける側がこの「テンパり」の連鎖を断ち切らなければならないのです。
負の連鎖を断ち切る勇気
上司に、どんなに大至急と言われても、というか「大至急」というキーワードが出たら要注意です。
プレッシャーに弱い人などは、特に注意が必要です。
むしろ、いつもよりも念を押して聞く必要があると思ってください。
それで更に相手がイライラしても、一向にかまいません。
仕事というのは、皆が焦れば焦るほどトラブルになる可能性が増してしまいます。
最初は小さな火の粉が、人間の神経の狂いという油を注ぐ事で、火事のように燃え広がるのです。
だから手がつけられなくなる前に、誰かが消火活動をしなければなりません。
結局は部下のせいになってしまう
ミスや仕事の遅れは、結果として最終的に指示を受けた人のせいになってしまいます。
そもそも仕事を遅らせた張本人や、テンパって不適切な指示を出した上司の責任になる事はありません。
ひどい時になると、上司もイライラしてキレやすくなっているので「大至急と言ったのに!」と、部下に辛く当たる事になります。
そういう上司が、後で落ち着いた時に「さっきは自分の指示が悪かった、ごめんね」みたいなフォローができる人ならまだ良いのですが、そもそもそういうフォローができる人は最初から『大至急』なんて言いません。
となると、既に遅れている仕事を、不十分な指示で、煽られてやらされる部下は たまったものではありませんよね。
その理不尽にモチベーションが下がってしまいます。
このような不愉快な事態を避けるには、支持を受けた最初の時点で、部下の方が落ち着いて、納得が行くまで指示内容を確かめるしかありません。
でも、その前に、上司の『大至急!』という言葉と、その焦っている呼吸に影響を受けてしまうと、どうしても、部下の方も頭が真っ白になってしまい、おかしなフォーカスモードになってしまいます。
心理的に『結局のところ、何をすれば良い?』という心理状態になってしまうのです。
落ち着くコツは呼吸法にあり
まず一番最初に知って欲しい重要なコツは『大至急』というキーワードを聞いたら、とにかく息を吐くように訓練して下さい。
それもなるべく長く吐いて下さい。人間は『大至急!』なんて焦った様子で声をかけられと、大きく息を吸ってしまう傾向があります。
指示を出している上司を観察して見て下さい。両肩が上がって、息を短く吸っているはずです。
その影響をモロに受けると、自分まで同じ状態になってしまいます。
とにかく息を長く大きめに吐きながら、両肩の力を抜いて下さい。なんなら肩を回してみて下さい。
人間にはミラーニューロンといって、思わず相手の真似をしてしまう神経群がありますから、上司も釣られて同じ事をしてくれると成功です。
度胸がある人なら、上司が冷静になるまで、同じ事を繰り返しても良いでしょう。
そもそも上司が冷静になってくれるのがベストなのです。
それで上司がキレるようならハッキリ言ってあげて下さい。
「私は焦ると、余計にミスが増える体質なので、ちょっとで良いので気持ちが落ち着く時間を下さい」と。
上司も『これ以上、余計に仕事が増えてはたまらない』と思うでしょうから、Win Winの関係が築けるはずです。