ある時期、正社員として働いていて退職して数年後に、異なる業界や職種にパートに出た時、それまで自分がいた世界とのあまりのギャップに、まるで異世界に紛れ込んでしまったかのように感じる事があります。
その職場には本当に色んな人達がいて、それまで会った事がないような『理解できない人』と驚くような場面に出くわして、そんな『理解できない人』に対して、どのようように接したら良いかわからなくなって、「もう耐えられない」と思って辞めたくなる事がありました。
ただ、職場が変わったら環境が変わる事くらい初めからわかっていた事であり、またその職場環境の違いの中に人が含まれているのも当然の事で、それらの違いに対して、いちいちショックを受けて辞めていたらキリがありません。
この事をある知人に相談したところ、正社員とパートで働いている人達の間に、大きな違いがあると指摘されて、それまであまり聞いた事がなかった事で、最初こそビックリしましたが、納得出来る面があり、私自身その気付きのおかげで、精神的にラクになったのでご紹介します。
自分では親切のつもりが・・・
私は元々、いわゆる大企業と言われるような会社で正社員としてOLをしていましたが、結婚を期に退職した後、暫くしてから、スーパーでパートとして働き始めました。
そのスーパーはパートを中心に回っている職場で、それまで私がいた『整然とした世界』と比べると、まさに『カオスの世界』でした。
その職場で、かなり多くの『理解できない人たち』に出会う事になります。
でも、まあ、あくまでも私目線での『理解できない人たち』なので、向こうから見たら、私の方が『理解出来ない人』だったんだと思います。
その『理解できない人たち』は、私が配属された部門とは別部門で働いている人たちでした。
ある日の事です。
とても忙しそうでパニックになっている様子の人がいたので、
「お手伝いしましょうか?」
と手助けを提案してみました。ちょうど、私も手が空いていたし、その作業については私も手伝える内容だったからです。
ところが、
「いらない!」
とケンモホロロに断られ、おまけに、こちらの部署の揚げ足を取られてキレられてしまいました(私は責任者でもなんでもありません)。
どうも、その別部門の人が忙しい原因が、私が所属していた部署のせいだったらしいのです。
だとしても……いや尚更のこと、助けになれそうな状況なら、他の部門の人でも力を貸すのが当たり前だと思っていたので、その後も、声をかけ続けたのですが、断られてしまいます。
スーパーの裏方というのは結構大変な仕事だし、同じ店舗の従業員なら部門を超えて助け合うものだと思っていたので、かなりショックを受けてしまいました。
それまでの私の経験では、手を貸そうとして断られた事なんて無かったので理解に苦しみました。
職場に理解できない人がいて不安になったことの理由は、もう一つありました。
それは、そのような『理解できない人たち』の数が多かったという事です。
一人くらいの話なら、『たまたま特別におかしな人と遭遇したんだ』と納得できたと思いますが、かなりの割合で、そういう『理解できない人たち』に出くわしたのです。
どうやら、『今までの自分の考えは、この職場では通用しないんだ』と、理解し始めましたので、これからは忙しそうな人を見ても、『向こうから「手伝って欲しい」と要請がない限り無視するべきか?』でも、『それでは、この悪い環境に自分が適応してしまう事になる』という葛藤が始まりました。
少し悩み始めていた頃、その話を知人に相談してみたところ、ちょっと意外な回答が返って来たました。
正直、ちょっとシニカル過ぎて、抵抗を感じる人もいるだろうと思いますが、私自身、妙に納得してしまったので、シェアする事にしました。
パートの職場に「変わり者」が多い理由
その相談した知人は、以前に社員採用の仕事をした事がある人です。
その知人の話では、世間では色々と採用条件が囁かれているけど、実のところ、採用の条件は、たった一つだけだそうです。
私がそのような仕事はした事がなかったので、興味深く聞いていました。
その社員に求められる資質とは・・・
『メンタルが強い』
それだけだと言い放ったのです。
『メンタルが強い』というのはどういう事かというと、パワーがあるとか、そういう事ではなく「気分が安定している」という意味だそうです。
組織というのは、気性が激しすぎたり、気分がいつも不安定で問題を起こしやすい人は好まないようです。
『メンタルの安定感が第一で、能力は二の次』と言っていました。
例えば、お客さんでも同僚でも、『何か気に障る事』を言われた時の初動がとても大切で、ちょっとでも『嫌だなあ・・・』という空気が伝わるだけで、その後のやり取りの難易度が相当に上がるんだそうです。
まあ、確かに・・・少し納得できるところもあります。
だから、社員の採用面接の場面では、人権侵害にならないギリギリの範囲で、意図的に嫌がりそうな質問をしてみて、表情や体に『嫌だなあ・・・』という空気が出ない人か、試してみる事があると言っていました。
『ちょっと酷い話だなあ・・・』
と思いましたが、そう言えば私も就職活動していた時に、何となくそんな経験があったような気もします。
そして、ここからが、その知人の毒舌が始まるのですが・・・良いですか?心して聞いて下さい。かなり酷な表現になります。
「じゃあ、メンタルが弱い人が何処へ行くのか?パートでしょ」
それで、ようやく、『ああ・・・以前勤めていた職場とは状況が違うのだ』と理解したのです。
そして、そう理解して、初めて気分が楽になりました。
その知人いわく、逆に社員中心の職場は、メンタルに問題を抱えた人の確率はかなり低いそうです。
だからパート中心の職場というのは、そういうメンタルに難がある人というのが一定数存在する事になるというわけです。
「なるほどなぁ」と妙に納得して、不思議と『理解できない人たち』への怒りが収まりました。
理解できない人への対処法
さて、それでは、そういう『理解できない人たち』に出会ったとき、自分の対応としては、どうすれば良いのでしょうか?
まず、私がおかしていた間違いの一つが、『同じ店で働く人ならば仲良くしなければ』という義務感でした。
それは勝手に自分が抱いた強迫観念のようでした。
どうやら、変に正義感を発揮して『いや、私は皆に平等に接するんだ!』みたいな意地を張っていたようで、どうやら相手とっては迷惑なだけだったようです。
だから、嫌な思いをする事が分かっているのに、無理に何とかしようとする必要など無かったのです。
それは、別に自分の考えを曲げるという事ではなくて、それが通用しない人にとっては迷惑なのだという事を「知る」だけで良かったのです。
結局のところ、『理解できない人たち』に出会ったら、自分から無理に関わって行かないというのが最初の一歩です。
考えが合わない人たちとは、避ければ良いだけの話で、自分のポリシーを変えたり、相手を変えようとする事の方がずっと問題です。
職場に苦手な人ても別に関わらずに済むのが可能なら、敢えて無理に関わっていかないのが賢いやり方だったのです。
『苦手な人は出来るだけ避ける』
なんだか身も蓋もないような結論ですが、これこそが「理解できない人に出会っても被害を被らないコツ」なのです。
この話はあくまでも、自分の職場で別部門の、無理に関わる必要がない『理解できない人たち』への対処方法です。
でも、同じ部署の『理解出来ない人たち』への対応は当然違って来ます。
関わる頻度が違います。
それは、またいずれ書く事になると思います。