どういう訳か、嫌なヤツやムカつく人が上司に収まる事が多いような気がする・・・と思った事はありませんか?
これは偶然の一致ではなく、ちゃんとした理由があります。
皆がこの事実にちゃんと気付けば、嫌な人が上司になる確率が下がるはずです。
今回は「ムカつく人が上司になり易い理由」について書いてみます。
かなり厳しいことを言いますが、結論から言うと、その職場で働いている人達の人間性が低く、動物的なマウント文化が支配しているからです。
そして、自分自身も例外なく、その動物的なマウント行動を無自覚にしている可能性があります。
生き残るマネージャーの資質
あるスーパーでの実例
一つの典型的な例として、あるスーパーマーケットの話をご紹介します。
そのスーパーは、主に中高年のパート中心で運営されていました。
その職場に、専門学校を出たばかりの新人マネージャーが配属されて来ました。
雰囲気は一見して静かで優しそうなタイプで、少し頼りなく見えます。
その職場で古くから働いている中高年のパートの人達は、その新人マネージャーを完全にナメてしまいました。
日頃のうっぷんを晴らすべく、あれこれ文句を言ったり、「その仕事は嫌だ・・・」など、もう言いたい放題です。
ところが、その新人マネージャーは、黙々と皆が嫌がる仕事をこなしていました。
このような状態を放置しておいてもいずれ皆が協力的になる、というのはドラマの世界だけの話で、実際にはワガママがどんどんエスカレートしていきました。
ある従業員は、その人自身が「記入の仕方」を読んで書かなければいけない年末調整の書類について、その新人マネージャーに最初から最後まで説明させながら書いたりします。
また別のパートは、制服を購入する際、試着する機会が事前にあったにも関わらず、もう注文して届いてしまった制服が、実査に着てみたらサイズが合わなかったと言って交換させようとしたりします。
マウント行動の行く末
このような一連のワガママと言っても良い行動が他のベテランのマネージャー対して向けられることはなく、その大人しくて、あまり強く言えない新人マネージャーに対してだけ行われます。
これは完全に動物的なマウント行動そのものです。弱そうな人に対してだけ、強く主張するというものです。
結局、優しいタイプの新人マネージャーが育つことはなく、辞めて行くことになります。
だからパートの方が長期間働いていて、マネージャーの方がコロコロ入れ替わる状況になります。
もうおわかりですね。
最終的に、長く続くマネージャーのタイプは、”癖が強く、他人の意を介さない強硬な” 人物だけになります。
嫌なヤツがマネージャーになる理由
そのような優しいタイプの新人マネージャーには、言いたい放題だったパート達も、”癖が強く、他人の意を介さない強硬な” マネージャーには何も言えません。
働く側としては『ソフトな性格の人がマネージャーになってくれたら、仕事がもっとやりやすいのに・・・』と思うのはみんな共通のようです。
ところが実際に、そういうソフトな性格の人がマネージャーになって配属してくると、強気なマネージャーには、言いたい事を我慢していた従業員も、急にワガママを言うようになるのです。
つまり相手を見て、言動を変えるような動物的マウント思考を持っている人が多いという事です。
だから結局は、仕事がやりにくい性格のマネージャーしか、その職位が務まらないという事になってしまう訳です。
つまり、より強い態度でマウントしてくる、より強い動物的で感情的な人物しか務まらないという事です。
ふつうに考えて、社会に出たての若者が、中高年の人達相手に、物怖じしない人は少数派ですよね。
だから雇われる側の人は、たまに言いやすい上司が来た時に、気軽にワガママを言わないという事を肝に命じなければいけません。
それをやると最終的には、その人が定着せず、不快なマネージャーが替わりにやって来る事になるからです。
マウントするから、マウントされるのです。
気が強いマネージャーの下での仕事は、キツくなり、融通も利かず、仕事がやりづらくなります。
だからラッキーにも、優しそうなマネージャーが来たら、マウントせず、助けてあげるくらいの気持で丁度良いのです。長い目で見たら、その方が仕事がやりやすくなります。
他人のワガママというのは目に付きやすいものですが、自分もそうなっていないか気を付けてみて下さい。