職場のある同僚がパニック状態になると、それが周りに波及して行き、自分もいつの間にかに引きずり込まれていて、帰宅後、異常に疲れている・・・
そして、だんだんテンパる同僚や先輩が敵に見えて来る。
でも、『そういう状態が当たり前』と諦めていた時期がありました。
この記事では、他人のパニック状態に巻き込まれるのを防ぐ方法をシェアします。
煽られる不快
パートを始めたばかりの頃です。けっこう困る事がありました。
職場の先輩達が、すぐパニック状態になって、その度に自分もその空気に飲み込まれてしまうのです。
その職場は、中高年の女性が多く、パニック状態になると大騒ぎになるので、その異様なテンションが伝染してしまうのです。
私は特に、そういう空気に弱い性質で、必要以上にテンパっていました。
テンパると、気が散ってミスを連発して、手先が震えて物を落としたりしていました。
でもそれは、私に限った事ではなく、誰でもパニック状態に陥ると、いつもよりもパフォーマンスは落ちるし、さらにミスをして仕事が増えて、良い事など何一つないはずです。
なのに、『どうして、みんなでパニック状態を拡散して行くのだろう?』と疑問でしたが、仕事を始めたばかりの新人だった私は、『こういう職場なのだから仕方がない』と自分に言い聞かせ、テンパるのが当たり前の日常で、『こういうものだ』と諦めていました。
とはいえ、パニック状態のまま仕事をしていると、仕事から帰って来ても、その悪い状態を引きずってしまうので、『何とかならないかなあ・・・』と悩んでいました。
煽られたらどうする?
時間に追われている職場というのは、普段からちょっとした緊張状態に包まれているものだと思います。
でも「慌てる」のと「テキパキする」のとでは意味が違いますよね。
私がいつもパニック状態にやられていた頃の教訓は、慌ててもロクな事がないという事です。
そういう状況下では、ちょっとしたミスが、大きなトラブルに発展にする事も珍しくありません。
時間に追われる仕事こそ、むしろ意識して落ち着いて対処しなければいけない!と強く思うようになったのです。
そこで、すぐにパニック状態になる人への対処法をあれこれ考えてみました。
一番手っ取り早いのは、パニックになっている人に注意する事です。
「もう少し落ち着いて下さい、わたしも釣られてテンパってミスしたりするので。」という感じに・・・。
でも、なかなか面と向かっては言えませんでした。相手はみんな先輩なので、これから仕事を教えてもら人達です。
それに、そもそも他人の行動を変えようとするのは難しいし、仮に変わるとしても、何度も言わなければいけないでしょうし、それはそれでストレスが溜まりそうです。
仕方がないので、自分自身、先輩たちのパニックの影響を受けないようにしようと心に決めました。
でも、上手く行かないんですよね。同調圧力っていうんでしょうか?結局仕事から帰って来てみると、巻き込まれて、消耗しきった自分がいました。
自分をコントロールする方法
一生懸命に、影響を受けないように気を付けてはいても、パニックを起こした上司や同僚の状態が自分に伝染してしまうという事は避けられないようです。
でも、本当に諦めるしかないのでしょうか?
例えば、『周りがどんなにパニック状態になろうとも、自分だけは冷静でいられる』というように訓練する方法はないのでしょうか?
一見、回りくどいようですが、相手を変えようとするよりは、自分をコントロールする方がよっぽど現実的な気がします。
それに、一旦この能力が身に付けば、その効果は仕事だけに留まりません。どんな時も煽られない、テンパらない「強さ」を身に着けておけば、けっこう怖いものなしですよね。
そんな事を知人に相談したら、以下の方法を教えてもらいましたので、シェアしたいと思います。
テンパるのを防ぐ具体的な方法です。
一番最初のステップは、まず煽られた瞬間に『煽られている!』と気づく事です。
もしかすると、これが一番難しいステップかもしれません。でも今後注意してみて下さい。人間は煽られた時、自分の呼吸が一瞬止まって、両肩が少し上がるはずです。
これには少し訓練が必要かもしれません。
次のステップは『煽られている!』と気づいたら、まず『絶対に煽られないぞ!』という決意を固めて、背筋をまっすぐにして下さい。
『煽られてたまるか!』という決意を背筋に表現するつもりでやってみて下さい。
最後のステップは「呼吸」に意識を向けます。
人がパニック状態になっている時の呼吸の特徴として、吸う方が長くなるか、小刻みになります。
だから、「息を吐く事」に意識を集中するのです。
口から、ゆっくり、長く、息を吐きます。
そうすると、自然と体が緩んでリラックスした状態になります。
体がリラックスすると、パニック状態になりそうになった脳も正常に戻って行きます。
人に煽られると、まるで、条件反射的に体にパニック・スイッチが入ったように感じるものです。
でも、もしパニック・スイッチが入ってしまったとしても、自分で切ることが出来ればパニック状態から抜け出せます。
スイッチが入った状態では、息を吸ってばかりいて「吐く」のを忘れてしまっているような感じになっています。
そのスイッチを切る方法が、姿勢を整えて、息を吐いて、呼吸を整える事なのです。
慣れて来れば、姿勢を整えるだけで、スイッチを切る事が出来るようになります。
私も、この訓練をずっと続けていたら、他人のパニック状態に感染しないようになりました。
誹謗中傷?
さて、他人のパニック状態に感染しなくなったとしても、まだ少し問題が残っています。
それは、職場の皆がパニック状態の時に、一人だけ感染しないで冷静でいると、客観的には「マイペースな奴だ」とか「冷たい人」という感じに見られてしまうからです。
せっかく、テンパらないないように訓練して自分自身はラクになったのに、それでも周りからの風当たりが強くなるなんて、とても理不尽に感じるかもしれません。
でも、安心して下さい。そのような状態は長くは続きません。
なぜなら、あなた一人だけは、テンパる事でミスして、それがさらに大きなトラブルに発展するような事が少なくなって来るからです。
その一方で、パニック状態に巻き込まれた他の同僚達は、一致団結して、ミスが増えて行きます。
このような事が、何度か繰り返されると、結局は淡々とやっている人の方が正しいのだという事が、だんだんと周りにも浸透して行きます。
そうすると、だんだんとパニックに巻き込まれる人がが減って行くのです。
パニックを起こす人が一人でも減って、炎を消す人間が一人でも増えれば、環境は変化します。
いったん環境が良くなれば、その後、新しく入った人は、その様子を見て「こういうものだ」と思ってくれるので、だんだん良い方向へ変わっていくのです。