勉強したくないとき、どのように自分を奮い立たせるか?

これについては色々なノウハウが巷に溢れていますが、そもそも勉強をする意味については、親からも教職の人からも、納得のいく答を聞ける事は少ないのではないでしょうか?

今回は、どうして勉強する必要があるんだろう?という疑問を抱いてしまった人へ、楽しく幸せに生きるための「勉強する意味」についてご紹介します。

意義が納得できれば、自然と勉強する意欲が湧いてくるかもしれません。

人の能力は平等ではない

じつは、この世には『勉強する必要がない人』がいます。

それはどういう人かというと、『生まれつき自頭(地頭)が良い人』です。

ちょっと唐突すぎるかもしれませんが、私が『頭が良い人は勉強する必要がないんだな』と思い始めた最初のキッカケは、以前やっていたパートの経験が元になっています。

それは軽作業の仕事で、募集には「誰にでも出来る簡単な仕事です」と書かれていました。

それが、実際にやってみると想像を絶する大変さで、『どこが “誰にでも出来る” だ!』・・・

体力的にも厳しく、帰る頃には、頭が朦朧としてくるし、ゴチャゴチャしたローカルルールもなかなか覚えられず、あまりにも煽られるのでミスしてしまい、周りの人に迷惑ばかりかけてしました・・・

ところが その一方で、いつも涼しい顔をして、余裕で業務をこなしている人がいました。

皆が血管がキレそうな形相で業務に追われる中、この人だけは、まるで1/10くらいの負荷しか感じていないように見えました。

別にサボっているわけではありません。
マイペースでジョークを飛ばしながら、皆と同じ仕事量を難なくこなして行くのです。

その職場では、しょっちゅう細かいローカル・ルールが変更されるのですが、その都度、素早く覚えて対応してしまいます。

この時、自分とのあまりの違いを感じて、『自分は劣った人間なんだろうか?』とか、『こんなパート一つ満足に出来ない自分はヤバいんじゃないか?』と思ったものです。

でも、その職場では、やたらと従業員の入れ替わりが激しかったので、かなり多くの人達と出会う機会がありましたが、この人のように余裕で仕事をこなす人は滅多にいませんでした。

どうやら、数としては少数派の部類のようで、私だけ、特別にダメだったわけではないと知ったのだけは救いでした。

でも、生まれつき頭の良い人というのは、どこへ行っても、どんな仕事をしても、器用に、小さな労力でこなす事が出来ると知ったのは、私にとってはかなりショックな体験でした。

勉強しても頭は良くはならない

ここで、いわゆる地頭が良い人とはどういう人なのか考えてみましょう。

一般的に、職場における地頭が良いと言われる人の特徴は、『記憶力が優れている』という事です。

「人は、何故、勉強しなければいけないのか?」

この質問の答えとして、『記憶力を向上させるため』とまことしやかに答える人がいます。

ところが記憶力には『短期記憶力』と『長期記憶力』がある事が知られています。

この職場における記憶力とは、『短期記憶』に優れていて、頭の回転が速いという、パソコンに例えるとメモリーが多いマシンという感じになります。

一方、『長期記憶』とは、パソコンに例えるとハードディスクです。勉強というのは、このハードディスクのデータを増やす作業です。

『短期記憶力』というのは残念ながら生まれつきのもので、勉強すれば良くなる、という類のものではありません。

学校で勉強する知識が、社会に出てほとんど通用しない上に、『短期記憶力』が良くなる訳では無いとすれば、なぜ人は勉強しなければならないのでしょうか?

短期記憶の限界

ここで『短期記憶』に優れている人と一般的な人との記憶力がどれくらい違うのか気になりますよね。

固定電話の電話番号はだいたい10桁ですよね。これは、一般的な人が記憶できる最大公約数を取って決められています。

「記憶力が良い人は、どれくらいの桁数を覚えられるのか?」気になります。

「普通の人の2倍?3倍?・・・いや、もっと?」と思いきや、せいぜい12桁が良いところだそうです。せいぜい1.2倍といったところです。

『長期記憶』が成長する幅に比べたら、この差は、たかが知れています。

しかも、そういう『短期記憶』に優れている人でも、時間が経てば、普通の人と同じように忘れて行きます。

凡人が幸せになる方法

私のパートでの体験は、いわゆる世間では『底辺』なんて言われれているような職種ほど、『短期記憶』が良い人が重宝されるという事です。

そして地頭の良い人は、そういう職種の仕事でも、ラクラクこなせるので、意外とストレスが少ないという事です。

一方、そういう職場で苦労するのは、『短期記憶』が苦手な人です。

実は『短期記憶』が苦手な人ほど『労力や変化の少ない仕事』に就く必要があります。

でなければ、体を酷使しながら、職場環境のもの凄い変化に即座に対応しながら働かなければならないので、多大な労力を必要とします。

例えば、職場で働いている人達の入れ替わりが激しいので、常に同僚の名前と顔を覚えなければいけないなど・・・

つまり、『短期記憶』が苦手な人ほど、学歴や何らかの資格など取得して、管理部門や専門職に回った方が、苦労が少なくて幸せに暮らせるのではないでしょうか。

勉強というのは、そういう『短期記憶』が重宝されない職業に就くための手段だと言えます。

生まれつきのメモリー量というのは努力しても変わりませんが、『長期記憶』を培うのは誰にでも可能な事だからです。

育てる事が可能な脳

ここではハードディスクが持っている、もう一つ特徴的な機能に注目してみましょう。

それは『インデックス』という機能です。

『インデックス』といえば、索引や見出しの事ですが、ここでは記憶を呼び出すツールとしてのインデックスの意味になります。

この『インデックス』が発達すると、ハードディスクに入っているデータを素早く読み出す事が出来ます。

具体的には、”語呂合わせ” や “記憶術” が『インデックス』に当たります。

勉強をするという行為は、ハードディスクのデータが増やすというよりも、この『インデックス』を増やして、データへのアクセス・スピードを上げるのが目的なのです。

驚くべき事に、このハードディスクへのアクセスする『インデックス』の増加には「頭打ち」はありません。

年齢を重ねても増やす事が出来るのです。いや、むしろ、経験が増えている人の方が、手持ちの記憶と結び付け易くなるので、ラクになるくらいです。

まとめ

とはいえ『長期記憶』を身につけるのも、短い期間で身につける事は出来ません。

『勉強が出来る』というのは、言い換えれば『勉強する習慣を身につける』という事です。

『長期記憶』を育むにはどうしても「復習する習慣」がある事がキモになります。
だから、一夜漬けでテストに挑むという行為は無意味な行為で仮に良い成績が取れたとしても、資産にはならないのです。

『勉強する習慣』は、時代が移り変わっても・・・いや、移り変わるからこそ、一生モノの資産にとして残るのです。

長い時間をかけてコツコツ積み上げていく必要があります。だから、早く始める必要があるのです。

最後に強調しておきたい事があります。

復習する習慣には「複利の力」が働きます。
最初はミリミリと増えるだけですが、ある一定の量を超えると「増加率」が変わります。

複利計算で使う関数のグラフを思い浮かべてもらえれば、イメージが湧くのではないでしょうか。

ここが、復習する習慣のある人とない人が明暗を分けるポイントなのだと思います。

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