いま私が住んでいる家の近辺は、個人商店がお店を出しては閉店するサイクルがとても短い所です。
20年近く住んでいますが、引っ越してきた当初からあったお店は ほんのわずかで、ほとんどの店が新しく出店しては消えていくのを何度も見てきました。
その経験から、一つ気がついた点があったので、ご紹介したいと思います。
これからお店を経営しようとお考えの方に、少しでも参考になれば幸いです。
外からでもわかる「危険信号」
お店が潰れていく時によく見かける「末期的症状」ともいえる状態に、客側の目線からすれば一目瞭然なものがあります。
それは、店長が店の入り口で仁王立ちしているという光景です。
苦虫を噛み潰したような顔をした店長が、まるで入り口をブロックするがごとく立ちはだかっているのです。
これは客の立場からすると、かなり怖いものがあります。
よほど強いモチベーションでもなければ、そこへ入っていく勇気は持てません。
お店が危険な状態の時というのは、そんな事も分からないくらい追い詰められているという事なのでしょう。
店主の立場からすると、店の入り口に立って道行く人に「入れ!店に入れ!」と念じるしか無いような心境なのかもしれませんが・・・。
でも、これでは「逆宣伝効果」になってしまいますよね。
一度こういう心理状態になってしまうと、もうお客側の視点に立つ事のは難しいかもしれません。
小売界の巨人が最もこだわったこと
お店を出したばかりの頃は、誰でも情熱を持っていたと思います。
ところが上手くいかなくなって来ると、どうしても意識が内へ内へと向ってしまうものなのかもしれません。
本当は苦しい時ほど店の外に出て、自分のお店を客観的に眺めてみる必要があるのだと思います。
とはいえ、これはかなり難しい事ですよね。
だから、ここまで追い詰められる前にそういう習慣を身に着けておく事が大切なんです。
世界最大のスーパーマーケットチェーンである「ウォルマート」の創業者サム・ウォルトンさんは、どんなに絶好調な時も競合店の調査を欠かさなかったそうです。
それは「他店を見学している時間の方が長かった」とまで言われていたくらい徹底していたそうです。
そして「どんな店にでも一つくらいは見習うべき点があるものだ」とも語っていました。
自分の店が可愛ければ可愛いほど、意識は常に外へ向いていたのです。
その辺の執念は、並大抵ではなかったようです。
客観的にチェック!
あなたの店を客観的な視点で眺めたとき、お店の様子はどうでしょうか?
- 店員は忙しそうに立ち働いているでしょうか?
- 店構えは清潔で、陳列は整っているでしょうか?
- お店の雰囲気は、活気があってウェルカムなムードでしょうか?
- 挨拶や礼儀作法、お客さんへの配慮はキチンとされているでしょうか?
まとめ
お店というのは、お客さんを外から中へと誘い込まなければならないものですよね。
それには常に店を外側から見て、お店が魅力的に仕上がっているかどうかをチェックする習慣が必要です。
いちどお店を立ち上げたら それでお終いではなく、常にメンテナンスしていくのは必須です。
この観点からすると、店主が入り口で仁王立ちという図は「このお店には、お客が来ていません」というパフォーマンスをしているようなものなのです。
もし実情がそうであっても、忙しいフリをしたり活気を演出するくらいの工夫をしてこそ、お店が永続きするのかもしれませんね。