従業員のモチベーションが下がる原因の一つに「繁忙期の人員不足」があります。

例えば小売店は、どうしても季節や暦の影響を受けるものですよね。

だからといって店が忙しくなる時期に合わせて従業員を採用してしまうと、人件費が嵩んでしまいます。
余分な経費をかける事はできないので、大体の会社は平常時に合わせて人員を確保しようとします。

すると、繁忙期には人手が足りなくなってしまい、一人一人の負担は増えるし、職場は混乱してしまいます。

実は、従業員が辞めたくなる気持ちというのは、この繁忙期に一気に高まります。
ただ皆が一斉に辞める訳ではないので、傍からでは分かりづらいだけなんです。

いま継続している従業員も、潜在的な「退職予備群」になっている危険があるので要注意です。

従業員のモチベーションを下げない方法として、この繁忙期をいかに安定させるかは大きな鍵になります。

繁忙期に起こっていること

今回は、ネットスーパーの梱包部門を例に取って、繁忙期の人員不足の実態を明らかにして行きたいと思います。

まず、ネットスーパーの梱包部門は、職場が売り場ではなく裏方になります。

スーパーでは、売り場は快適な環境に保たれていますが、裏方は違います。
蒸し暑いし、運動量も多く、常に時間に追われる業務です。

ネットスーパーが1年を通して一番忙しいのは、夏です。

飲料のケースが良く売れるし、猛暑の時は買い物に出たくないという需要が増えるからです。

でも、パート職員といえば一年中 同じメンバーで回しています。

夏は、暑いだけでも体力を消耗しますよね。
そこへもって業務量も増すので、ネットスーパーの職員にとって、1年で一番しんどい時期です。

そこでパートたちは、体調を崩さない為にも休暇を取ろうとします。

また、辞めようとしている人も、この時期を避けるため、6月あたりに辞めたりします。

こうして発生した欠員分は、残ったメンバーで切り回さなければなりませんよね。

結果として、夏季は需要が高まる季節だというのに、十分な労働力が確保できません。

最悪の場合、従業員が疲労の蓄積で体調を崩し、欠勤などが発生してしまうと、もう注文件数を減らすしかありません。

従業員のモチベーションが下がってしまうだけでなく、機会の損失という事態を招いてしまうのです。

売上の確保と経費の節減を両立させる

この問題で一番難しいのは、お店の売上には1年を通して波があるのに、従業員の労働力は増やしたり減らしたりするのに限界があるという事です。

従業員というのは、無理をさせればさせる程モチベーションが下がってしまうものです。

ならば、常時確保する従業員と、繁忙期に追加する人員に分ければ良いのではないのでしょうか?

毎年、夏には需要が高まるという事がわかっているのですから、ピンポイントでアルバイトを採用すれば良いのです。

夏だけの短期アルバイトとして求人の募集をすれば、常駐のスタッフに無理な負担をかけずに済みます。

臨時のアルバイトには力仕事を中心に分担してもらい、熟練度が必要な業務は、既存のパート中心に行うようにします。
そうすれば臨時のアルバイトは即戦力になり、アルバイトの教育にいちいち手間をかけずに済みます。

体力を使う仕事を分散させる事さえ出来れば、コアメンバーの疲労が改善されて、業務がスムーズに流れます。

女性や中高年の比率が高い職場であれば、より効果を発揮する方法だと思います。

まとめ

従業員のモチベーションを下げない方法として、安定した職場環境を作っていく必要があります。

いくら良い時期があったとしても、悪夢のように酷使される時期もあるのでは、人は悪い印象の方が強く残ってしまいます。

従業員のモチベーションを下げない方法に集中していれば、こういう不安定な時代に、好き好んで転職したがる人は少ないのではないでしょうか?

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