最近、中学生のお子さんを持つお母さんが「塾にするか」「家庭教師にするか」で迷っているという話を聞きました。

私自身、塾と家庭教師と両方の経験があるので、何か参考になればと思い書いてみます。

その為にはまず、そもそも『どうして家庭教師や塾が必要なのか?』という話をしなければなりません。

『復習の習慣を付けろ!』のウソ

お母さんが中学校の先生に「自宅での学習はどのようにさせれば良いでしょうか?」と質問すると、決まって

「自宅学習は、復習を中心にして下さい」

と指導されるようです。

ですが、これって中学校の先生が、自分が最初に教える師でありたいと願うエゴのような気がしてなりません。

大学入試の準備が必要

はっきりと言いますが今の学校のカリキュラムでは、中学校で習う内容がスカスカのぶん高校でギューギュー詰め込まないと、大学入試には間に合いません。

あまりにも、いびつな状態になっているのです。

だから中学を卒業するまでに、可能ならば高校3年の最初くらいまで手を付けているのが理想です。

そして高校では、実際に大学入試に関する赤本など中心にやれるようにしておいた方が良い。
少なくとも、高校1年くらいまでは手を付けておくべきです。

中学校の教科書の厚さと、高校の教科書の厚さを比べてみれば、いかに情報量が偏っているかわかるはずです。

ハッキリと良いますが、今の中学校のカリキュラムは、出来の悪いお子さんに合わされています。
少なくとも得意科目、好きな科目だけは、どんどん予習しておいた方が良いのです。

それでも「復習の方が大切だ」と言う人がいるかもしません。

予習する習慣を付ける

でも、落ち着いて考えてみて下さい。

【効率的な復習】って、どういうものだと思いますか?

あらゆる知識は、それを理解するための予備知識が必要となります。

学校で「復習を中心に……」と指導される理由は、その予備知識を忘れてしまっていると、授業がムダになってしまうからです。

でも学校での授業は、クラスのペースで流れて行ってしまいます。

このとき自分が忘れているからといって、授業の進行を止める事が出来るお子さんは少ないと思います。

だから、このような『あれ?これ何だっけ?』と思って復習するタイミングは、自宅学習で自分のペースで調べられた方がベストなのです。

つまり、自宅で予習して行く過程で忘れている部分だけを見直す方が自然なのです。

今、明らかに理解している・覚えていると思っているのに繰り返すのって、拷問に近い行動だと思いませんか?

ところが、人間には好奇心があります。

逆説的ですが、実は『次、次』っと、どんどん予習して行った方が、どうして復習が大事なのか、体感して理解できるものなんです。

人間、既知の情報が8割以上ないと、残りの2割を知ろうともしない事がわかっています。

つまり学校での授業を復習に使った方が効率的なわけです。

でも、中学校の先生は”嫌”だと思います。
自分が教えるタイミングが、生徒にとって最初であって欲しいと願っているからです。

いかがでしょうか?予習こそが学習の肝になると、理解して頂けたでしょうか?

これが最初に提示した『どうして家庭教師や塾が必要なのか?』の答えです。

お母さんに予習の重要性を理解してもらっても、実際お子さんに予習の習慣を付けさせる事は、簡単な事ではありません。

その為の塾や家庭教師なのです。

「塾が良いのか、家庭教師が良いのか?」

次は、いよいよ「塾を選ぶべきか」「家庭教師を選ぶべきか」という問題です。

この答えは、お子さんの性格と能力によって決まります。

まず、とても重要な認識を持って下さい。
それは『家庭教師に向く科目は数学だけ』だという事です。

これからの内容は、この考え方が基本になります。

この考えに同意出来ない場合は、続きを読んでも意味がないと思います。

数学って、他の母国語を介する科目と違って、一つの言語体系を持っている科目です。
だから結局は、独学的な要素が重要になって来ます。

『じゃあ、なんで家庭教師?』

と思うかもしれませんが、独学的な要素が強いからこそ、壁にぶつかった時、わからない時に、既に理解している人に質問できる環境が必要なんです。

だから、もし、あなたのお子さんの性格がシャイな方で、学校の先生に質問するのが恥ずかしい、嫌だという場合、手詰まりになってしまいます。

そのようなシャイな性格の子には、家庭教師が向いているんです。
さすがに自分だけの先生なら、遠慮なく質問できるというわけです。

だからもし、あなたのお子さんが学校の先生と気軽に話せる性格なら、壁にぶつかったり、わからない問題が出来た場合、質問できるので家庭教師は不要です。

数学以外の科目は、暗記が中心の科目です。

これは、まずは学校以外にも勉強する習慣をつける事が大切です。

それと、独学出来るまでは「友達」の存在も重要になって来ます。

友達とゲーム以外の雑談の中で覚える単語や知識などが、馬鹿にならない科目でもあるのです。

学校の先生と話すのは苦手な子でも、友達と話すのは大好きだというお子さんの場合、塾に一緒に通っている友達と、習っている事を話題にする事で力をつけられる可能性もあるのです。

単純に負けん気が強くて、勝負に勝ちたいと思う意識で勉強するというのも、この中学生という時期には良いものです。

最近の学校は、競争を避けさせる傾向にありますから。

まとめ

ところで、これは親御さんの教育方針だと思うので、あまり強くオススメできませんが、まず『お子さんの直感を信じる』か『親御さんの直感を信じるか?』という決断があります。

その他に『お子さんの直感を信じられるようになるまで、親御さんの判断で行く』というのもありますね。

この辺の方針が決まっているのなら、ゴチャゴチャと親御さんが悩む前に、まずお子さん自身に「塾が良い?それとも家庭教師?」と聞いてみて下さい。

子供って、自分に本当に必要な事が何なのか直感でわかっているものなんです

「どうして塾が良いの?」「どうして家庭教師が良いの?」と理由など聞いてみると『なんだ、それじゃ理由になっていないな……』と思うかもしれません。

でもそれはお子さんが、自分の直感を上手く表現出来ていないだけなんです。

長い目で見れば、最初のうちは少々お子さんの直感が外れて「やっぱり〇〇の方が良かった」という事になるかもしれませんが、中学生ともなれば、そろそろ そういう直感や決断の練習をする時期に来ていると思います。

何でも、達人の域に達するには10年はかかるものでから。


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