新しい職場に入って仕事に慣れて来ると、だんだん頼まれごとが増えて来ますよね。

でも、頼まれ事が段々とエスカレートして行くように感じ始めるとストレスがたまり始めます。

新しい職場に入りたての頃は、素直に「ハイ!」と応じられていたのに、『自分だけ・・・』という被害者意識が頭をもたげてくると、イライラして来る・・・そして心の中は『なにか良い断り方って、ないものだろうか?』という思いで一杯になる・・・そういう時期があるものです。

この時に自分自身『良い人でいようと思っているので、断れない・・・』などと間違った自己認識でいると、ますます辛くなってきます。

終いには、『いっその事、悪キャラになって、片っ端から断ってしまおうか?』などという気分にさえなって来ます。

そもそも「いい人に思われたい」という理由で頼まれごとを引き受ける心理状態というのは長続きしないものです。

この記事では、【頼まれごとの効能】についてお話したいと思います。

本当の意味で理解できれば、最初の頃の素直に『ハイ!』と言えていた頃の みずみずしかった自分に戻れるはずです。

頼まれごとが負担になって来る理由

頼まれ事をされて、断れない人の中には『人に良く思われたい』という動機で仕方なくやっている人がいます。

ただ いくら「いい人」を演じようと思っても、そういう表面的な努力というのは、長く続くものではありません。

人間、ガマンには限界がありますよね。

そういう人の心の中に巣食っている感情を生んでいる根本的な考えは『頼まれ事を引き受けるのは「損」だ』という事です。

その『頼まれ事=損』の考え方を持っている人の頭の中は『良い人=損を引き受ける人』です。

だから、「良い人に見られたい」ぐらいの動機では、ずっと快く引受けるのは難しくなって来るのです。

『頼まれ事=損』の考えを持っている人にとって、毎日、損がどんどん拡大して行く気分になって行くからです。

だから、逆に言うと本気で『頼まれ事=得』という考え方になれたら、大きくストレスレベルが下がる事になります。

今度は毎日、得が拡大して行く気分になるからです。

仕事は引き受けるほど「損」をする?

頼まれ事をいつも快く引き受ける事は、「損」ではないどころか、実は引き受けない方が損をしています。

ある職場で「一番仕事が出来る人」がいたとします。

その「一番仕事が出来る人」は、最初からそのスキルを身につけていたのでしょうか?

確かにもともと頭が良いとか、才能がある人がいるかもしれません。

人間の能力には差があるので、生まれ持った資質も無関係ではありません。

でも、数ヶ月程度ならともかく、年月を経てくると、だんだん「経験」の比重の方が高くなってきます。

「経験」とは何でしょうか?単純な日数でしょうか?

違いますよね。そう!『経験とは仕事量』です。

同じ年月を働いていたとしても、任された仕事から逃げ回っている人と、何でも嫌がらずに引き受ける人とでは、仕事の量に差がついて行きます。

そして一番仕事を任されて積極的にこなした人は、その職場で「一番仕事が出来る人」になるのです。

職場でナンバーワンになったら?

気持よく仕事を引き受けて「頼まれやすい人」になったら、確かに大変だとは思います。時には「不平等だ!」と主張したくなるかもしれません。

でもそれは一時の事で、ニコニコと気持よく仕事を引き受けて「頼みやすい人」になって行くと、「嫌な事を押し付けられる便利な人」になるのとは違う状態になって行きます。

その職場で誰よりもスキルが上がった時、その人は『そこにいる』のが楽になります。

小さな職場であったとしても、ナンバーワンの存在になると、今度は不思議な現象が起こります。

その人は逆に、誰もが簡単にお願いできないような、頼みづらい『一目置かれる存在』になるのです。

そうなると、忙しさに頭打ちが起こって、その先はむしろ楽になっていくのです。

おまけに会社側は職場のナンバーワンに抜けられると困るので、多少のワガママも受け入れられやすくなります。

もう一つのパス

もちろんナンバーワンになったからと言って、必ずしも忙しさに歯止めがかからない場合もあるし、会社側の対応も変わらない場合もあるでしょう。

そういう場合はどうなるのでしょうか?

もしかしたら、それはフリーランスとして独立できるチャンスかもしれません。

実力がある以上、雇い主は、その人に仕事を発注せざるを得なくなり、こんどは雇い主がお客さんになるわけです。

ただ、こうなるには「一番」にならなければならず、2番ではこうは行きません。

まとめ

いい人を演じられる痩せ我慢期間は、3ヶ月くらいが限界だと思います。

だから「いい人に見られたい」という動機で頼まれごとを引き受けても、だんだん辛くなって行くと思います。

でも、誰よりもスキルを身に着けて職場で一番になったり、独立するチャンスを掴めるなら話は別ですよね。
それならやる価値があるし、モチベーションの質も変わるのではないでしょうか?

ただ職場で一番になる為には、頼まれごとを積極的にやる努力を継続する必要があります。

ある一定のスキルを習得するには、少なくとも2~3年の年月がかかりますよね。

学校などもそうですが、一つの事を習熟するのにかかる年月というのは大概決まっています。

ただ こういう年月をかけて築いたスキルは、才能の有無に左右されるレベルを超えていきます。

だから、2~3年くらいは「頼まれやすい人」でい続ける辛抱も、やはり必要になってきます。

ただ、幸せになるシナリオを知っている人と知らない人では、辛抱のモチベーションの質も違ってくると思い、こんなお話をしてみました。

コメントは利用できません。