自分の作品や商品、サービス等を世に出したい!
そう思っていても、いつまで経ってもプロのクオリティに到達できなくて、最初の一歩が踏み出せずにいる人っていますよね。
自分もその一人だから、よくわかります。
世の中には「独立したい、独立したい」と言いながら、技術を身につける事に必死な人がたくさんいます。
開業するにはプロの技術がいるからと学校へ行き、修了したは良いけど、これだけでは武器にならないと言って、更にスキルを追加しようとしてまた学校に行く、という事を繰り返すのです。
今回はそんな人のために、サービスのクオリティよりも「販売」の方が大切だという話をしたいと思います。
トップランナーたちの原点
いま旬な人とかトップレベルに君臨する人達も最初は素人だった、という話はよく聞くと思います。
ところが今の時代の良いところは、それを実際に見たり聞いたりできる事です。
例えば、ユーチューバーのヒカキンさんです。
いまや押しも押されぬ人気者ですが、彼の最初の動画を見た事があるでしょうか?
これが、今のヒカキンさんを知らなければ、完全にスルーしてしまいそうなクオリティなのです。
現在の彼を知る人が見れば逆に面白いのですが、何も知らない人が見たら、彼の特技であるボイスパーカッションがちょっと目を引くくらいで、かなり地味な動画です。
それでもヒカキンさんは、コツコツ動画をアップし続けたんですね。
勧める商品もヨーグルトデザートとかで、ホソボソと頑張っている姿は涙ぐましいものがあります。
そして、地道に動画を挙げ続けていても、最初の3年くらいは鳴かず飛ばずだったそうです。
普通なら視聴者数が全く増えないという状況で、3年もの歳月、毎日動画を挙げ続けるというのは、ほどんどの人が出来ない事だと思います。
ところが、こうして一見無駄に思える「アウトプット」をし続ける事で、彼のクオリティは磨かれて行ったのです。
売れない商売とは?
人間って、素人でも誰でも「評論の目」だけは一人前なんですよね。
自分の作品も例外ではなく、どうしても厳しく評価してしまうものだと思います。
おまけに、人に突っ込まれるというのは恐ろしい事ですよね。
だから未完成な作品を世に出すには、相当な勇気がいるものです。
それで、ついつい完璧なものが出来なければ行動できなくなってしまうんですよね。
でも、これをお店に例えたらどうでしょうか?
「今日は仕入れが完璧ではなかったから休業しよう」とか
「今日は良い接客が出来そうもないから、早く店じまいしよう」
なんてお店があったら、お客さんは困ってしまいます。
どんなに良いお店でも、いつも閉まっているようでは客足が遠のくのが当たり前ですよね。
それなら品揃えや接客がイマイチでも、ちゃんと毎日やっているお店の方に行くと思います。
そのクオリティ、本当に必要ですか?
確かに、テレビや新聞などのマスが中心だった時代は、抜きん出た人たちばかりを見せられてきましたよね。
そんなマスの情報ばかりに触れてきた私達は、ピラミッドの頂点やチャンピオン、スーパーエリートみたいな人しか商売なんかしてはいけないと考えていたフシがあると思います。
でも本当に確かなのは「誰か」が「何か」を求めているという事だけなのです。
そして、そもそも誰も「自分が何を求めているのか」をハッキリと分かっている訳ではありません。
分かってはいないけど「何か欲しい」とは思っています。
お客さんは、そこそこでも良いから「何か」を届けて欲しいのです。
なるべく自分の欲しいものに近いものを見つけるごとに、自分が本当に欲しいものが だんだん分かってくるのではないでしょうか。
送り手は過剰なクオリティを習得したがりますが、実は受け取る側では、それほどの質を望んではいないのです。
まとめ
これは余談ですが、ユーチューバーは美人やイケメンの人の方が苦戦を強いられているようです。
世の中には美貌の持ち主は少ないので、見る側としてはあんまり美しい人というのは親近感が沸かないのかもしれませんね。
いかにも営業という感じの、売り込み色の強い「オーバースペックな」コンテンツも敬遠されていると思います。
それよりも、友達のようなざっくばらんさで、ちょっとしたネタを頻繁に更新してくれる人の方が重宝がられているみたいです。
本当の実力とは、人を圧倒するような「凄い」クオリティに仕上げる事ではなく、営業し続ける事で、お客さんの反応を見ながら築いて行くものだと思います。