パート中心の職場での新人教育って、最初の数日間で終わりという所が多いですよね。

その短い教育期間ですら新人教育とは名ばかりで、教える人の機嫌が悪かったり、教え方が雑だったりします。

でも、教える側も最初からこうだった訳ではないと思います。
これには、そうなってしまう理由がちゃんとあるのです。

今回は、従業員のモチベーションを下げない方法として「新人教育」が上手く機能しない理由と、解決法をご紹介します。

教え方が雑になる理由

パートの新人教育が上手く機能しない理由として、まず自分が「ちゃんと教えてもらえなかった」という経験が関係していると思います。

自分が新人の時に簡単な説明しかしてもらえず、失敗しながら苦労して仕事を覚えるという経験をすると、新人の扱いというのは「そういうものだ」と思うようになってしまいます。

そして、こういう慣習が脈々と受け継がれていくことになります。

でも、一番大きな原因は「従業員の定着率の悪さ」だと思います。

せっかく教えた新人が、いつも数ヶ月で辞めてしまうような職場では、教える方のモチベーションが上がらなくても無理ないのではないでしょうか。

ほとんどの人が「育たないうちに」辞めてしまうので、せっかく教えても全てが無駄に終わるのです。

教える人が不機嫌になる理由

定着率の悪い職場では、常に新人が入っては辞めるという事が繰り返されています。

新人から見たら初めて聞く事でも、教える側は何千、何百と同じ事を教えたり注意しているような気分になります。

入れ替わりが激しい職場に長年勤めている人などは、頭がおかしくなるかもしれませんよね。

おまけに新人は、一度聞いても覚えられなかったりします。

教える人は心底ウンザリして、必要以上に不機嫌になってしまいます。

そして そういう扱いを受けた事で、こんどは新人が辞めてしまうのです。

こういう悪循環は、ブラックな職場ほど顕著に現れます。

新人への当たりが強いという事そのものが、ブラックな職場である証明と言っても過言ではありません。

悪循環から抜け出す方法

新人教育が上手く行かない場合に実施されるよくある解決策の一つとして、マニュアルを作成するというのは、よくある話だと思います。

ただ、そのマニュアル化のプロセスがただ漠然と『ふだんの定形業務をマニュアル化すれば良い』というだけでの認識だと上手くいかない事が多いようです。

マニュアル化の重要なポイントは、ふだん教える側が「声を荒立てなければならない」事が多い部分に注目することです。

新人が間違えやすい事や、覚えにくい部分にポイントに絞って「注意事項集」のようなマニュアルを作るのです。

逆に定形業務などは、口頭で説明すれば十分です。

これは一見すると矛盾するようですが、教育担当者が何度も説明しても、別に大丈夫な事柄と、数回しか説明していないはずなのに感情が揺れる事項があるのです。

ですから、この「注意事項集」の量は、せいぜいA4用紙で1枚くらいが理想です。

このマニュアルというか「注意事項集」は、新人に持ち帰って読んでもらいます。

そして一週間後くらいにテストしてみて、覚えられなかった人は最初から採用しなければ良いのです。もちろん事前に本人の承諾は必要になりますが・・・

でも、雇われる人だって、本人にとって覚えづらい事項に関して何度も “感情的に” 注意されるよりはマシなのではないでしょうか?

このような事が可能になれば、教育担当者は、何度も同じ事を注意する煩わしさから解放されるのです。

まとめ

新人の教育担当者は、新人の母親ではありません。同じ事を注意する忍耐にも限界があると思います。

新人をキチンと教育するには、まず教育を担当する従業員のモチベーションを下げないようにする必要があります。

それには管理者が「注意事項マニュアル」を作成するのは必須で、この手間に対して手を抜いた時、職場はブラック化するのです。

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